半年くらい前に、ある企業さんからITコンサルタントの依頼を頂き、現場に行きました。
ITコンサルタントのお仕事は、
・課題の根本を見つける事
・課題の解決策を提示する事
・課題の解決策と企業の方向性、経営者の方向性を合わせる事
の大きくはこの3本柱です。
最初は、経営者の方のインタビュー。
経営者の認識している課題は、
・経理業務に誤りがある
・経理責任者のスキルに問題がある
・経理責任者が虚偽報告をする
・社員が言った言わないが多い
などでした。なので、何らかのITツールで、虚偽報告や業務ミスを減らしたいとのことです。
これだけみれば、経理責任者が悪者に見えますが、実は違いました。
経理責任者にインタビューをしたところ、
・確かにミスをするが、社長は話を聞いてくれない
・確かに虚偽報告をしたが、そうでもしないと社長が理論攻めがキツイ
・自分では一生懸命仕事をしているつもり
・社長は言った言わないが多い
でした。
【根本はミスコミュニケーション】
社長の意見と、経理責任者の意見を照らし合わせると、結論としては、ミスコミュニケーションが問題でした。
ITとは全然関係ないですね・・・
一番の課題は、「社長が話を聞いてくれない」「社長が理論攻めがキツイ」と言う点です。
社長自身も「ミスは誰にでも起こるので、それはしかたない。問題はリカバリー方法だ」と、私も賛成の意見を述べていました。
しかし、私が社長と二人きりで飲みながら話を聞いたりすると、「いいから俺の話を聞いてくれ」と何度も言われました。で、ちょっと違う意見を述べると、理攻めが凄いのです・・・。
私は内心、「あ、経理責任者の方の話はこれか・・・」と気づいたのです。
【解決案】
なんだかやっている事が人事コンサル?というか、ITコンサルタントとはちょっと違うふうになってきましたが・・・解決策はこんな感じです。
1.Kintoneで言った言わないをなくす
私がお得意のKintoneを導入させていただきました。で、基本、口頭伝授を禁止してもらいました。
Kintone上に記載するようにしてもらいました。
2.Kintoneで業務ミスをなくす
毎日の経理作業、末締めの経理作業を全てKintoneに実装。作業が完了、未完了に関わらず、記録や伝言を残してもらうようにしました。
ここからが肝心
3.社内は敬称呼びにする
沖縄あるあるなのですが、下の名前で呼び合う事があります。ある意味良いとは思いますが、時と場合によります。苗字が同じ人が多いのもあるので、下の名前を使うのと、親戚同士だったりなどもあるためです。
私は敬称呼び「xxさん」に、させました。
なぜか? 社長と社員さんのやり取りをみていると、友達同士の会話だったのです。
親近感は良いのですが、仕事に対する緊張感が無さすぎでした。また、お互いの仕事に対する敬意が抜けているのです。特に、社員さん側が「社長って何仕事してる?ゴルフだけでしょ?」感が強かったのです。
そこで、私は社員さんたちを個別に話をして、社長業というものを説明しました。
4.毎月1回MTG
次にMTG。なんと、MTGゼロだったので、これはまずいなと。
私も1名しかスタッフいませんが、毎月MTGしてます。
5.社長に注意
かなり言葉丁寧に、私から社長に注意しました。
・社員を理攻めしない
・社長なりに社員のためになる事をいろいろやっているが、それは押し付けである。社員さんが欲しい事と社長が提供したい事は違う
・社員さんに仕事をしてもらっている意識、助けてもらっている意識
・社員さんがミスしても、まずは黙って話を聞く
・社員さんの意見を聞く
・月に1度MTG開く
【結果どうなったか】
半年後の今、社長から嬉しいご報告が。
ミスが激減したらしいのです!!
あと、社員さんも社長の事を「社長」と、呼ぶようになっていたのです!
実際に、私も訪問させてもらって経理責任者に会ったのですが、以前は暗かったけど、なんだか少し明るい顔に!
嬉しい限りです。