経営指針とはAIとほぼ同等の自動意思決定ツール

ITコンサルティングで経営指針?と思う方もいるかもですが、超関係あります。
ですが、IT絡みだと少しわかりづらいかもなので、通常の企業の投資と経営指針の関係について説明します。
結論としては、経営指針は作ることを激しく推奨しますというオチではあるのですが、まずは、無いとこうなるパターンのご紹介です。

【ある食品製造会社さんの場合】

経営指針も経営戦略もありませんでした。一応、経営戦略があるということで、見せていただきましたがただの売上目標が書いてあるだけで、根拠も具体策も書いてありませんでした。

企業成長をするということで、売上10億/年の規模の会社が、2億の設備投資を行いました。2億の設備投資は、主にはハンバーグを大量製造するためのものです。もちろん、別の商品も製造します。
ところが、投資前に製造原価も売価も設計されておらず、さらには、売り先、市場(マーケット)も設計されていない状態で、設備投資は始まって製造機械は導入している最中でした。
つまり、製造原価、売価もどこに、誰に、どんな風に売るか?も無いまま進んでいるのです。
では、それらを決めればよいだけでは?別に経営指針、いらなくない?何に使うの?となりますよね?
分解します。

ー製造原価
 ここは足し算や掛け算の世界、算数すればいいだけなので、基本、経営指針は不要です。
1つ間接的に関係する部分がありますが、詳しくは書きませんが、製造の営業利益をどのように処理するか?割当するか?です。製造時に+100円とし、製造利益として考えるか?または、最終的な売価に+100円として会社全体として営業利益として考えるか?などがありますが・・・ちょっと製造系の話なので割愛します。

ー売価
 皆さんは売価はどのように決めますか?簡単に+100円とか、+500円とかしますか?間違いです。
売価は、売り先のマーケットと、競合他社の価格から算出しなければなりません。ここでも直接は経営指針は無関係に思えます。

ー売り先・マーケット・ターゲット
 ここからが本番です。どこのだれに売りますか?
ご家庭?セレブ?小売り(スーパー)? どんな小売りに?価格重視?品質重視?
皆さんはこれらをどのように決めますか? これらを自動的に意思決定してくれるのが経営指針です。

【経営指針の例】

私の経営指針で恐縮ですが、例として、

「お客様の根本的解決を目指します」というのがあります。つまり、お客様(経営者)が求めている解決=根本解決ではない場合がよくあります。そのため、できるだけ理解していただけるような形で根本課題を説明し、解離を近づけようとします。
ですが、その説明を受け取りずらい経営者、頑な経営者、何かを信じて疑わない経営者の方がいます。
こういう方とのお取引は原則いたしません。なので、私のITコンサルの経営者ターゲットが、必然的に決まります。

もう一つ例として、弊社の琉球マルシェ。表には書いてないのですが実は、
「超少人数で、圧倒的な生産性、業務効率の高さ。業務に関して超合理主義。ほぼ自動化。」というのがあります。
なので、大量に商品を処理することは難しくなりますし、在庫することもほぼしません。
となると、少数精鋭の商品を売ることになりますが、それではビジネスが成り立ちませんので、高品質・高価格の商品に必然的になります。となると、ターゲット層は富裕層の方や、商品価値を感じてくださる方になります。
そうなると、楽天市場などの価格重視のマーケットは利用しない方向になるわけです。

という感じで、AIのような自動意思決定ツールとして活躍しています。

【まとめ】

経営指針がある→誰に売るかが必然的に決まる→品質と売価が決まる→宣伝方法、宣伝場所が決まる→設備投資の種類や上限金額、規模が決まる
となりますが、
先の食品製造会社さんにおいては、まあそもそも10億の売上に対して2億が意味不明なのですが、それはおいといて、2億の機械ありきで進んでしまったので、後付けで売価を決めたり、売り先を模索してしまったので、当然ながら、投資の回収が非常に厳しくなります。
ITコンサルの現場でも同じで、IT機器やサービスで2億行くこともあります。100万でもよいのですが、ほんとうに必要なのか?など、ツールや機械など投資ありき、物ありきではなく、必要性からその結論にたどり着くようにしましょう。

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