ふるさと納税は、IT分野と切っても切れない関係です。そのあたりに触れつつ、それにまつわる問題について書きます。
ふるさと納税の考え方自体はとても良かったと思います。
地方自治体は、財源がいつも乏しくそれを増やすための活動もなかなか難しいという、スパイラルにある中、別枠でボーナスのように寄付としてふるさと納税というものがもらえるのですから。
さらに、地方の生産者さんなどもある程度潤いますし。
ですが、根本的な問題があります。
【登場人物の紹介】
ふるさと納税にあたっての関わる業者等をまずは紹介します。
1.地方自治体
2.寄付者
3.返礼品提供者と返礼品
4.返礼品を運ぶ人(運送会社)
5.返礼品を紹介するサイト事業者
ここで問題は、3と5になります。
【問題点1:返礼品提供者】
返礼品提供者になれる事業者とその返礼品が問題になります。
なぜなら、これが自治体が独自に定めることができ、総務省による全国共通取り決めはないのです。
このため、このような事業者や返礼品が跋扈することになりました。
・その地域に関係ない事業者
そもそもふるさと納税の概念は、地域へフィードバック。地域に関係ない事業者が、返礼品を提供するのはどうなのでしょうか?なお、石垣市などでは、「石垣市に存在している事業所」など取り決めがあります。
・地域に関係ない返礼品
今はだいぶ減ったようですが、以前は奈良県などの自治体でAmazonクーポンなどを出して問題になっていました。
【問題点2:返礼品を紹介するサイト事業者】
ふるぽ、ふるさとチョイス、楽天ふるさと、JAL、ANAなどなど・・・たくさんの事業者が提供していますが、このサイト運営会社にお金がちゃんと入っています。
あれ?気づきましたか?
そう、どこも大手企業。JTB、楽天、JAL、ANA。こういった企業たちには、ふるさと納税はドル箱状態なのです。
【問題点の実例】
ふるぽ(ふるさと納税サイト)は、JTBです。さらに、JTBは旅行クーポンをふるさと納税で提供しています。
そう、JTBに関して言えば、2重取りです。当然ながら、旅行クーポンを許している自治体も問題ですが。
JAL、ANAも飛行機チケットを提供しているので、二重取りできています。
当然ながら、JTBやJALへは寄付金から支払いがされます。
【問題点の実例2】
談合などもあります。
各自治体は、独自でふるさと納税のサイトのメンテナンスや事務仕事ができない場合が多いのですが、それを外部へ委託しています。この委託にも規定はないので、談合がありました。
何の実績もない事業所が、突然、地方自治体のふるさと納税の事務局を行うのです。
【改善案1:返礼品サイトを国がやる】
返礼品サイトを総務省が運営すればよいのです。
ふるぽ、ふるさとチョイス、楽天ふるさとなど乱立している意味がわかりません。
【改善案2:最低基準を総務省が決める】
返礼品提供事業者、返礼品自体を総務省が基準を設けるべきで、イレギュラーについては別途申請し、審査すればいいだけです。2023年10月から、総務省が返礼品チェックを行うなどと言い始めましたが、それはいらないでしょう。ざっと計算しただけで5万5千以上の製品があるわけで、できるわけないのですから。
【改善案3:事務局はNPO】
NPOにも問題はあるものの、非営利活動法人として利益出さないような形をとるべきです。現在はただのドル箱です。
たったこれだけで、地方自治体へは寄付金がもう少し利益率の高い形でフィードバックされるはずです。