久しぶりにブログ書きます。旅行OKとなり、宮古島も観光客が増えてその影響で今までお休みしていた観光系のお客さんが一気にホームページのメンテに走ったのもあり、少し激務になりかけてました。
前から、書きたかったのが、「ハンコ文化が業務効率化を妨げている」お話です。
間違ってはいませんが、厳密には違います。
私がいる宮古島など地方中の田舎では、業務効率化とは程遠い事が多いので、そのあたりや、デジタルとは距離がある業種さんの話を交えながら、根本的な原因を書きます。
【そもそも、なぜハンコが必要なのか?】
中堅クラスから大企業あたりになると、スタンプラリーが好きでした。かつて私が勤めていた企業も、課長、部長、統括部長のスタンプラリー・・・
面白いのが、シャチハタでもOK 笑。
意味ありますかね?シャチハタって 笑。
そもそも論で、なぜハンコを押すのでしょうか?その意義は、「証明」です。
”課長が承認したという証明” です。その証明にあたって、厳密には印鑑登録された印鑑でなければ、意味がありません。ハンコ屋さんで購入すればよいのです。まして、シャチハタってw。
こんなにも信憑性の薄い・ハンコ。どうして、それを証明とするのでしょうか?
そこには、日本人独特の特性があるように思えます。
それは、印鑑神話です。『印鑑が押してあるのだから、信じれる!』という、神話ありませんか?
仮に、2つの契約書があって、印鑑が押してあるものと、サインのものとどちらを手にしたくなりますか?
領収書などではどうでしょうか?
恐らく、ほとんどの日本人が印鑑の方を選ぶと思われますがいかがでしょうか?
これが、印鑑神話です。
もう1つあります。
「印鑑は偽造されていない」という性善説が日本人の印鑑神話にはあると思います。
性善説については、日本人のいたるところにあるのです。
少し話がそれてしまいますが、多くの人が気づいていないですが、例えば、
・カード払いの時に、カード裏面とサインを照合しない
・今回のコロナのように、政府からの要請にこたえるのが当たり前と思っている
・法哲学上、現在の刑罰は厚生のためであり、報復や処罰のためではない(だから、性犯罪や殺人が刑が軽いのはその影響があります。厚生できると思っているのです)
・「罪を憎んで人を憎まず」的な。
こういった点において、業務効率化のため脱印鑑、脱スタンプラリーというのは、日本人の精神論が関わってくるので、なかなか進まない点があるのかと思います。
(余談)
印鑑の歴史。
ご存知でしたか?印鑑は6000年前からあります。
人類最古の文明・メソポタミア文明(今のイラク付近に栄えた。エジプトより古いんです)が発祥です。
当時からなんと商取引時に印鑑で契約書を交わしていた記録が残ってます。
さらに、余談ですが、学校・結婚・パン・ビール・ワイン・宿題・不倫・農耕・車輪はこの時代に発明されました。

【紙管理が大好き】
ハンコがなくなっても、必ず出てくる課題がコレです。
紙で管理です。
特に紙管理が一番多いと感じるのは、行政です。
逆に、行政がらみで税金も含めですが、何種類ありますかね、デジタルデータで提出って。
補助金くらいでしょうか?
一応ですが、紙管理の無駄について箇条書きしますと、
・検索できないので、探す無駄
・保管スペースの無駄
・誤字脱字の無駄
・書く時の時間の無駄
・紙の印刷の無駄
・インク代の無駄
・紙自体の無駄
マンガ・ジョジョの奇妙な冒険だと、ディオ曰く「無駄 無駄 無駄 無駄 無駄 無駄 無駄 無駄 ・・・」ってやつです。

【どうして紙管理から脱出ができないのか?】
私のお客様でも紙管理の会社さんはたくさんあります。
デジタルデータ管理に進めた所もありますが、全く無理なところもあれば、一部しか進められないパターンもあります。
その原因について、考えてみると、
・従業員がPC操作に弱いのでデジタルデータ管理ができない
・従業員がPC操作に弱いのでエクセルやワードが使えない
・従業員がPC操作に弱いのでメールでデジタルデータを交換できない
・取引先がPC操作できない、紙でしか伝票や書類を受け取れない
・取引先がそもそもPCがない、ネット環境がない
などなど・・・ほかにもあるかもですが、こんな感じです。
共通して、「PC操作」です。
この点だけを考えると、「PCできない人たちに、業務効率化が阻害されている」と言えなくない状況です。
行政の方も考えてみます。
「政府は、iot促進よりも役所の無人化すすめてくれ」でも書いたのですが、行政資料というのはフォーマットが決まっているため、デジタル化が最もしやすい分野です。
なのに、メソポタミア文明から比べれば、石版→紙になったレベルw。
この原因は憶測になりますが、
・PC操作ができない公務員が多い
・来所する市民がPC操作ができないから、紙で書かせる
・情報セキュリティ面からデジタルデータだとコピーや流出が怖い
ではないかと思います。
やはり、「PCできない人たちに、業務効率化が阻害されている」と言えなくない状況です。
情報セキュリティ面について言えば、単に政府がITに疎いだけだという結論です。
セキュリティポリシーをしっかり定めて、それにそった構築と運用を行うだけです。
破れないセキュリティはありませんので、残念ですが。
この世で唯一盗めないものは、存在しないものです。裏を返せば、存在するものは絶対に盗めます。
なので、個人情報は漏えいありきでセキュリティ構築・運営をするしかないのが現実です。
こう書くと、「えー!」と思われる方は、まさに性善説の方です。
(余談)
あり得ない話ですがw、もし私がIT大臣か国家元首になったら、政府や税金・国民のために公務員は今の半分は解雇させていただくでしょう。
行政書類は法律で決められたり、フォーマットが定まっています。
システムとって”決められたもの”を処理するのが最も楽ですし、そのためのシステムですから、行政システムはほとんどシステム化できてしまいます。もしかしたら、半世紀もしたら市役所や区役所は無人かもしれません。
ですが、PCに疎い方が行政処理できないのは、市民サービスとして間違いですので、サポートする人として役所スタッフが存在、また、イレギュラー対応のために役所スタッフ存在という程度でよいと思います。で、そのような役所スタッフさんは1部署1名のみ。
そうすると、当然、人手不足になりますが、あえてそうします。
その一方で、自身でPCで行政処理できる方は、すぐに処理が終わりますので、わざとそういう差別化をして、「時間かからないなら、自分もPC少し覚えよう」という気にさせる作戦です。
そうでもしないと、人は覚えません。
酷な言い方ですが、できない人に合わせていると前に進めません。できない人とできる人を住み分けするのが現実論だと思います。

【まとめると・・・】
・印鑑文化は、日本人の印鑑神話という精神論が根強い
・印鑑文化が減っても、紙管理から抜け出さないと変わらない
・紙管理が横行しているのは、 「PCできない人たちに、業務効率化が阻害されている」 側面がある
・一番、業務効率化して経費(税金)節約できるのは、行政
という具合です。
私個人としては、もっと国民全体にPC操作教育を施してゆくべきと思うのですが。それの方が、投資としては間違ってないと思います。いつまでも、「PCできない人」に合わせている方が、彼ら自身の為にもならないし、できる人の足や国全体の足を引っ張ることになるのでは?