PCウィルスよりもハッカーよりも、一番怖いのがデータクラッシュ。
データクラッシュは最も身近にある脅威ですが、それについて書きます。
【クラッシュパターンを考えよう】
闇雲にデータバックアップをしても意味がありません。なぜならば、どのようなデータクラッシュの脅威にどのように対処しているかを明確にしなければ、しかるべき時にしかるべき対処ができないからです。
まず、最初に考えなければならないのはクラッシュのパターンです。あまり考えたくないと言えば、考えたくないかもですが 笑
【その1:OSが壊れる】
windowsが起動しないなど、OSが壊れるパターンです。この場合、データやハードディスクやパソコン自体は生きており、windowsの場合だと、レジストリが壊れたりシステムファイルに異常があったりなどで、起動がしないという状態。レジストリやシステムファイル修復ができれば起動はできるものの、そう簡単ではないですね・・・。
壊れる原因は、windows update(笑)、ウィルス、Kingソフト関係、何らかのヘビーなソフトウェアインストール、長年利用でソフトのインストールとアンインストールを繰り返した結果、原因不明・・・などなどです。

【その2:ハードディスクが物理的に壊れる】
一番脅威です。もはや、バックアップがない限りデータ復旧は見込めないのが通常です。
ハードディスクの寿命、初期不良など・・・。
中には何としてもデータ復旧したいというパターンもありますよね?
復旧できるパターンもありますが、残念なことにほぼ不可能パターンがあります。これは最初からわかります。
それは、
・データを暗号化してた場合
・RAID1以外(後述します)

【その3:ハードディスク以外の部品が壊れた】
PCやサーバーの他の部品が壊れても、同じ部品があって交換すれば無事に元に戻れたりします。
部品が無い場合は?
もし、パソコン自体を丸ごと仮想マシンデータとして変換できるようなバックアップをしていれば、他のPCやサーバー上でその壊れたPCを仮想マシンとして動かすことができます。
ですが、1つだけ例外があります。
それがRAIDです。
RAID0、5、6、10など様々なパターンがありますが、ほとんどがRAIDコントローラーを物理的に装備して実現しているかと思います。
「 RAIDコントローラー が壊れたら、交換すればいいじゃない?」
残念ながら、 RAIDコントローラー によっては交換しても動かないものがあります。
それは、 RAIDコントローラー の中のメモリにRAID構成情報が入っている場合です。通常は、ハードディスクの中に保存されていますが、メーカーによって異なります。

【RAIDはバックアップではありません】
よくある勘違いです。RAIDは、簡単に言えば「ハードディスクが1個、物理クラッシュしてもPCやサーバーが稼働できる状態を保つためのもの」です。なのでバックアップではありません。
まして、RAID1以外は、データ破損やRAIDコントローラーの破損と復旧方法によっては、全てを台無しにしてしまいます。
【どのようにバックアップすればいい?】
上記の3つのクラッシュパターン全てに対応できるバックアップをお勧めします。
3つは多いと思うかもしれませんが、この3つはある点においてとても大きく異なります。そして、それは業務に多大な影響を及ぼすのです。
それは・・・「復旧時間」です。

【バックアップは復旧時間も計算のこと】
せっかくのバックアップも、3日後に復旧だった場合どうでしょうか?3日間業務停止です・・・。
なので、全パターンの復旧時間を予め実地テストしなければなりません。
弊社はお客さんのサーバーなどは購入時に1度論理クラッシュさせて、計測しレポーティングしてます。
お客さんには予め、クラッシュパターンは復旧にはどのくらいかかるか、お話しておくべきです。そして、手順も。

【まとめ】
総括すると、
・クラッシュパターンごとにバックアップの復旧方法を最短時間でできるように準備する
・RAIDはバックアップではない
・RAID組む時は、予算・復旧方法・稼働率をよく考えてから適切なものを選択
・バックアップと復旧の時間は予め計測の事
でした。